勉強会
4価髄膜炎菌ワクチン:メナクトラについて
- 2017/10/19
- 勉強会
先日髄膜炎菌ワクチン『メナクトラ』の勉強会をしました。
髄膜炎菌は肺炎球菌やHibと同じように髄膜炎の原因菌です。
発症すると、発熱、頭痛、吐き気など風邪のような症状から始まりますが、急速に進行し、菌血症、敗血症、髄膜炎などの侵襲性髄膜炎菌感染症(IMD:Invasive Meningococcal Diseases)を引き起こす非常に重篤な感染症です。急速に進行し早期診断が非常に難しく、24時間以内に死に至る場合もあります。死亡率は10-15%(国内のデータでは19%)で、回復しても10-20%に難聴、四肢切断、精神発達障害などの後遺症がみられます。感染経路は飛沫感染のため、集団生活の多い乳幼児期や10代後半に多く見られます。最近では2011年に宮崎県の高校や2015年の山口県で行われた国際イベントで集団感染が見られました。
抗菌薬の治療が行われますが、初期症状では診断が難しく、診断時は重篤化していることが多いため、ワクチンによる予防が非常に大事な感染症と考えます。
接種時期に関してですが、2歳から接種が可能ですが、10代後半に多くみられることから、米国では11~12歳時に初回接種を行い、16歳時に追加接種を行うことを推奨しております。学生寮などで集団生活される方、食器やペットボトルを共有される方、流行地に渡航される方などは早めの接種をご検討頂ければと思います。
接種希望の方は事前の予約が必要ですので、一度ご相談ください。