お知らせ
小児(5-11歳)の新型コロナウイルスワクチンの接種について
- 2022/03/01
- お知らせ
小児(5-11歳)の新型コロナウイルスワクチンについて
5歳から11歳のお子様を持つ保護者の方は、新型コロナウイルスワクチンを接種すべきかどうか、大変悩まれていると思います。
小児における新型コロナウイルス感染症は比較的軽症で、多くの場合は対症療法のみで軽快しています。なかには酸素投与などを必要とする中等症例も見られることから、感染者が増えてくれば、重症例も増える可能性があります。オミクロン株では小児に大流行しましたが、そのほとんどは軽症で軽快しています。ただ、今後の変異株によっては小児の重症例が増えてくる可能性も否定できません。そのため小児のワクチン接種の必要性が問われているところです。
予防接種の目的には大きく分けて3つあります。
①個人を病気から守る(個人防御)
②集団の感染拡大を防ぐ(集団防御)
③予防接種を受けたくても受けられない人たちを感染症から守る(集団免疫)
①に関して、オミクロン株に対する有効性が十分に示されてはいませんが、重症化予防は期待できると考えます。また、接種後の副反応についても、16‐25歳の人と比べて出現頻度低いことや、心筋炎についても、軽症で全員が回復していると報告されています。そのため、特に基礎疾患があるようなお子様への接種は、メリットがあると考えます。もちろん個人防御の観点から、基礎疾患が無くても接種希望のある方は、接種してもよいと思います。
②③に関して、ワクチン接種後の成人にも多くの方が感染を起こしていることから、今後の変異株についても集団免疫については期待しにくいところです。
小児の新型コロナウイルス感染症については、軽症例ですんでしまうことや現行のワクチンでは集団免疫が期待できないことから、接種希望者は少ないと考えます。1瓶=10人分のワクチンため希望者を募るのは大変です。使用しなかったワクチンは破棄することになるので、個人の接種医療機関が増えれば増えるほどワクチンロスが増えてしまいます。現時点では集団接種会場で接種することが妥当と考え、当院での接種は見送りすることにしました。