アレルギー
食物アレルギーについて
- 2015/07/09
- アレルギー
食物アレルギー
ある食べ物を食べたあとに免疫の働きで不快な症状が出ることを食物アレルギーといいます。皮膚症状が最も多く、じんましんなどが約90%で見られます。次いで咳、鼻水、ゼーゼー等の呼吸器症状、充血、口、のどの違和感等の粘膜症状、腹痛、嘔吐、下痢等の消化器症状や元気がなくなるなどの循環器症状も見られます。特に多臓器にわたり症状が見られる場合をアナフィラキシーといい、血圧低下など生命をおびやかす場合をアナフィラキシーショックといいます。原因は様々で鶏卵、牛乳、小麦が多く、最近では魚卵やピーナッツも増えてきました。
診断の基本は詳細な問診と食物経口負荷試験です。血液検査や皮膚検査は補助的であり過剰な除去につながるため、その評価には注意が必要です。乳幼児期に発症する食物アレルギー(鶏卵、牛乳、小麦、大豆)は年齢とともに食べられる傾向が強く、3歳まで50%、6歳までに80-90%が食べられるようになる(耐性の獲得)ため、その後の臨床経過や血液検査を見ながら、耐性獲得を確認のため負荷試験を行い、除去解除ができるよう目指します。
Q:食物アレルギーとアトピー性皮膚炎との関連は?
A:乳児期のアトピー性皮膚炎は、食物アレルギーが関係することが多いといわれます。場合によっては食物の除去が必要になることがありますが、年齢とともにその影響も少なくなり学童期にはほとんどなくなります。
治療はお子さんの栄養バランスも大事なので、必要最小限の食べ物の除去と皮膚症状に対するスキンケア、外用療法を行います。当院では今まで食べたことのあるもので重い症状が出たことなければ、はじめから除去するようなことはしません。
Q:妊娠中、授乳中の母親の食物除去
A:母乳中にお母さんが摂取した食物の成分(タンパク質)が検出されることがありますが、その量は一般的に微量のためアレルギー症状を引き起こす可能性は低いと考えます。そのため母親の除去はほとんどの場合不要と考えます。ただし、母乳への移行によりお子さんの症状が引き起こされた場合は除去が必要ですが、母親の摂取時間を調整する(母乳中への移行のピークは約2時間といわれています)ことで過剰な除去を回避できることもあります。
妊娠中の母親の食物制限は、その効果に十分な根拠がなく、予防効果が無いという報告が多く見られることから、除去は不要と考えます。
Q:離乳食はどのようにすすめるの?
A:原因となる食物がはっきりしている場合は以外は離乳食の開始や進行を遅らせる必要はありません。ただし、原因となる食物がなくても、お母様やお父様、ご兄弟などにアナフィラキシー歴がある場合はご相談下さい。