下痢について

小児の下痢症の大部分はウイルスや細菌による腸管感染によって引き起こされる感染性腸炎です。原因としては、ロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、エンテロウイルスなどのウイルスや溶連菌のような細菌によるものです。

治療として最も大切なことは脱水の予防です。特に乳幼児は脱水になりやすいため、こまめに水分を補給することが重要です。補給する際には糖分と電解質を含んだものを飲ませてあげるようにしてください。ただし牛乳や柑橘系のジュースは負担が強いためやめましょう。食事がとれるようになっても、お粥やうどんのように消化に良いものにしておきましょう。

下痢は病原体を体の外に排出させるための生体防御であり必ずしも止める必要はありませんが、長引くと治りにくくなるため、早期回復のためには治療は必要です。

Q：整腸剤は飲んだ方がいいの？

整腸剤は腸内細菌の正常化に働き、下痢の早期回復に有効です。

Q：全然食べてくれません。

　胃腸炎のときに一番重要なことは脱水を予防することです。水分（経口補水液(ORS)といった糖分、電解質を適切に含んだものが最適です。母乳やミルクでもかまいません）をこまめに補給してください。

Q：おしっこが少なくなってきました。どうしたらよいでしょうか？

　飲めない。あるいは飲んでいても下痢の回数、量が多くて尿量が少なくなってきた場合は、脱水の可能性がありますので必ず受診してください。顔色が悪くなったり、ぐったりしたり、肌の張りがなくなってくることもあります。場合により点滴で水分補給をする必要があります。