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Q & A

RSウイルス感染症について

RSウイルスは11月~3月にかけて流行する感染症です。最近では9月くらいでも散発して見られることがあります。多量の鼻汁が主体で、咳は同時に出現することもありますが、数日してから出てくることもあります。発熱を伴うこともあります。1歳未満の児(特に生後半年くらいまでの乳児期)では細気管支炎と呼ばれる喘鳴(ゼーゼー)を伴った呼吸障害を起こすことが多く、また1か月未満の新生児に感染すると無呼吸発作を起こすこともあるため注意が必要です。

 

Q:治療は?

A:対症療法が主体となります。中耳炎の合併率は高く、咳嗽、鼻汁に対し咳止めや去痰剤を服用し中耳炎を予防することはとても大事です。症状が進行すると肺炎や細気管支炎になり呼吸障害を起こすため、入院での呼吸管理が必要になる場合もあります。

 

Q:細気管支炎とは?

A:気管支よりさらに細い細気管支と呼ばれる場所に炎症を起こします。症状は喘鳴、多呼吸(1分間に60回以上の早い呼吸、ちなみに正常は新生児で1分間に40回程度、成人は1分間に10-15回程度です。)、陥没呼吸(肋骨と肋骨の間が陥没するような呼吸)などが見られます。ひどくなるとチアノーゼ(唇、顔色が悪くなる)や無呼吸発作(呼吸をさぼるようになります)などが見られます。

 

Q:無呼吸発作とは

A:RSウイルスに感染するとしばしば無呼吸を起こすことがあります。特に生後1ヶ月未満の新生児に多く突然死の原因となり得ます。原因は呼吸中枢の未熟性、分泌物の貯留により反射、分泌物の単純な閉塞などが考えられています。無呼吸は刺激で回復しますが繰り返し起こるため、症状に気づいたら直ちに病院を受診してください。

 

Q:喘息との関連は?

A:RSウイルスによる細気管支炎に罹患後、喘鳴を繰り返し喘息と診断されることがあります。アレルギー体質との関連は証明されておらず、おそらくは罹患後の肺機能の異常が長期にわたり残存することで起こるRAD(reavtive airway disease)と呼ばれる状態だと考えますが、区別が難しいため喘息として治療されることがほとんどです。乳幼児期には風邪をひくたびにゼーゼーしたりしますが、成長に伴い風邪をひかなくなってくると良くなることが多いです。

 

Q:予防は?

A:パリビズマブ(シナジス®)と呼ばれるモノクローナル抗体がありますが、保険適応が36週未満の早産、気管支肺異形成症や先天性心疾患などの患児で最大24ヶ月までと厳しく、また、非常に高価であることから一般の方にはおすすめできません。

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